1994 年 (平成 6 年) の税制改革
1987 年・1988 年の抜本的税制改革以降の日本の経済社会の状況を見ると、人口構成の高齢化が急速に加速・進展するとともに、所得水準の上昇に伴い中堅所得者層を中心に税負担の累増感が強まっており、これらに対応した税制の更なる総合的な見直しが求められていた
こうした背景から、まず、活力ある福祉社会の実現を目指すべく、中堅所得者層への負担累増感を緩和するため、所得税・個人住民税 (所得割) の税率構造の累進緩和等による負担軽減が実施された
また、社会福祉等の歳出面の諸措置を安定的に維持するために社会の構成員が広く負担を分かち合うという観点から、消費税率引上げ (3 % → 5 %) や、事業者免税点制度の見直し・簡易課税制度の適用上限の引下げといった消費税の中小事業者に対する特例措置等の改革が行われるとともに、地方分権の推進、地域福祉の充実等のため、地方税源の充実を図る観点から、地方消費税の創設 (5 % のうち 1 %) が行われた
なお、消費税及び地方消費税に係る改正は 1997 年 (平成 9 年) からの実施とされた一方、1994 年 (平成 6 年) ~ 1996 年 (平成 8 年) に特別減税が、1995 年 (平成 7 年) に所得税・個人住民税の制度減税が先行的に実施された
参考文献
令和 5 年 6 月 わが国税制の現状と課題 ―令和時代の構造変化と税制のあり方―